JFAフットサル委員会では、フットサルの発展と強化のために専門分野ごとにプロジェクトを立ち上げ、それらプロジェクトのもとに様々な活動に取り組んでいます。プロジェクトのひとつであるフットサルGKプロジェクトは今年度、Fリーグディビジョン1クラブと協働し、世界で活躍できるGKの育成を目標に、クラブに関わる育成年代のGKを指導する『Fリーグ育成GK巡回指導』を展開しています。『Fリーグ育成GK巡回指導』では、現代フットサルGKに求められる理想像から逆算し、育成年代で身につけるべき基礎を伝達するとともに、フットサル日本代表チームで活躍が期待できるタレントの発掘や、Fリーグクラブとのこれまで以上に活発な情報交換も実現していきます。
12月2日(土)にフットサル日本代表のGKコーチでもある内山慶太郎GKプロジェクトリーダーが訪問したのは、Fリーグ第21節に臨む立川アスレティックFCでした。レギュラーシーズンの終盤で、しかも試合が行われる直前のタイミングという緊張感ある状況であるにも関わらず、クラブを挙げて温かく受け入れてくれました。クラブのGKコーチでGKプロジェクトのメンバーも務める松原君守氏が紹介してくれた選手は5名。各年代のクラブ所属選手4名に加えて、日常的にはサッカーに取り組みながらもフットサルの指導も受けている選手が1名参加しました。
ここまで8回の巡回指導を実施してきた内山慶太郎プロジェクトリーダーは、定刻になると慣れた様子で選手を集め、「今日伝えることはとても基礎的なこと。それを学んだ上にチームで取り組んでいるプレーを積み上げてほしい」と話して指導をスタートさせました。ペアで行うウォーミングアップには松原GKコーチも参加してもらい、徐々に体を温めていきます。その後はゴールマウスに立ってGKのスキルを上げるためのトレーニングに移行しました。セービングやブロッキングといった基礎的なスキルをメインのテーマに据えていますが、飛んできたボールにただ反応するだけでなく、事前にひとつ動きを加えたり、ゴールを守った後の攻撃へのトランジションまでを一連の動作として意識させるなど、ゲームで活躍できるGKになるための生きたスキルを身に着けさせます。
メニューを重ねたことによる身体的な疲労に加えて、与えられる情報量が多いことによる頭の疲労が見え始めたところで内山リーダーはすかささず、「今日はたくさんのことをみんなに伝えている。今すぐに全部を消化することはできないかもしれないけど、一度口の中に入れてみよう。飲み込んでみよう」と話し、オープンに、ポジティブに学ぶ姿勢をあらためて促します。
最後のメニューとなった2対2の攻防まで集中力を欠かさずにすべてのトレーニングを無事に終えた選手たちは、掴んだ手応えと明確になった課題を持ち帰り、充実した表情で会場を後にしました。
スタッフコメント
内山慶太郎プロジェクトリーダー(JFAフットサルGKプロジェクト)
9回目となるFリーグ育成GK巡回指導を立川アスレティックFCさんで実施させていただきました。選手はサテライトやU-18、U-15のカテゴリーで育成組織に所属する選手はもちろん、クラブの声掛けに賛同いただいた地元クラブの選手も参加しました。
トレーニングでは常に試合の状況を意識しながら、セービングとブロッキングのテクニックを反復で取り組みました。大切なポイントを全員で共有しながら進行することで、選手たちは自身のプレー1つ1つに向き合いながら短い時間の中でも確かな変化を見せてくれました。今回のような非常に高い意欲や集中力で日々のセッションに臨み、次の機会に大きく成長した姿が見られることを期待しています。
最後になりますが、本活動にご理解とご協力をいただいた関係者の皆さま、積極的に取り組んでくれた選手の皆さんに感謝を申し上げます。